紙パンツと尿とりパッドの正しい使い方|漏れにくくする当て方と家族が注意すること

排泄ケア

この記事には広告・アフィリエイトリンクを含む場合があります。紹介する用品は、在宅介護のご家族が選びやすいよう、用途や状態別に整理しています。

親の介護で紙パンツや尿とりパッドを使っていると、

  • パッドを入れているのに漏れる
  • パッドがずれてしまう
  • 何枚も重ねた方が安心なのか迷う
  • 男性と女性で当て方が違うのか分からない
  • 交換のタイミングが分からない

と悩むことがあります。

わたし自身、デイサービスの現場スタッフから始まり、有料老人ホームでの勤務、サービス付き高齢者向け住宅の施設長として、これまで数えきれないご利用者・ご家族と接してきました。その中でいつも感じるのは、排泄ケアの悩みは「やり方が下手だから」起きるのではなく、ちょっとした当て方のクセや思い込みで起きていることが多い、ということです。

漏れるたびに「自分のやり方が間違っているのかもしれない」「本人にもっとつらい思いをさせているのでは」と、自分を責めてしまう家族の方をたくさん見てきました。ですが、ほとんどの場合は本人のせいでも、家族のせいでもありません。

紙パンツや尿とりパッドは、商品を選ぶだけでなく、当て方や使い方 がとても大切です。合わない使い方をすると、吸収量が足りていても漏れたり、本人が不快に感じて外してしまったりすることがあります。

この記事では、在宅介護をしているご家族向けに、紙パンツと尿とりパッドの基本的な使い方、漏れにくくする確認ポイント、家族がやりがちな失敗をわかりやすく解説します。

※尿の色、血尿、におい、急な尿量の変化などは、体調変化のサインになることがあります。いつもと違う様子がある場合は、紙パンツやパッドだけで判断せず、医師・看護師・ケアマネジャーに相談してください。

先に結論:紙パンツと尿とりパッドは「重ねる」より「正しく当てる」

紙パンツと尿とりパッドを使うときに大切なのは、枚数を増やすことではありません。

まず見直したいのは、次の5つです。

確認すること 見るポイント
パッドは基本1枚 何枚も重ねるとすき間ができ、かえって漏れやすくなることがある
ギャザーの内側に入っているか パッドが紙パンツのギャザーからはみ出すと漏れやすい
中心からずれていないか 前後左右にずれると吸収する前に横漏れしやすい
中心を保ちながら前後の当たり方を調整する 男性・女性、姿勢、尿の出方に合わせる
濡れたら早めに交換する 長時間そのままだと不快感や肌トラブルにつながる

「漏れるからもっと厚くする」よりも、まずは サイズ、位置、ギャザー、交換タイミング を見直すことが大切です。

紙パンツと尿とりパッドの役割

紙パンツと尿とりパッドは、それぞれ役割が違います。

紙パンツは、下着のように体にフィットさせるためのものです。尿とりパッドは、尿を吸収するためのものです。

この2つを分けて考えると、交換しやすくなり、費用も抑えやすくなります。

たとえば、少量の尿漏れであればパッドだけ交換すれば済むことがあります。紙パンツごと毎回交換するより、介護する家族の負担も減らしやすくなります。

ただし、紙パンツ本体も下着と同じように衛生用品です。汚れていないように見えても、最低でも1日1回は交換する意識が大切です。

尿とりパッドは基本1枚で考える

漏れが心配になると、パッドを2枚、3枚と重ねたくなることがあります。

ですが、尿とりパッドは基本的に1枚で考えましょう。

パッドを何枚も重ねると、厚みが出て紙パンツとの間にすき間ができることがあります。また、上に重ねたパッドの防水面が邪魔をして、下のパッドまでうまく吸収できない場合もあります。

その結果、吸収量を増やしたつもりでも、横から漏れやすくなることがあります。

現場で感じること

忙しい時間帯や「今夜は大丈夫かな」と不安になった夜ほど、スタッフも家族も「念のためにもう1枚」と重ねたくなるものです。ですが施設で数えきれないほど見てきた結果、重ねたことでかえって漏れてしまうケースの方がずっと多いというのが実感です。不安なときほど、枚数ではなく当て方を見直してみてください。

尿量が多くて足りない場合は、枚数を重ねるのではなく、用途に合った吸収量のパッドへ変更する 方が分かりやすいです。

また、パッドを重ねることでごわつきや違和感が強くなり、本人が外してしまうこともあります。結果として、かえって尿漏れのリスクが高くなる場合もあります。

本人の気持ちにも寄り添いながら、介助する家族の負担も軽くなる方法を一緒に考えていきましょう。

漏れにくくする当て方の基本

尿とりパッドを使うときは、次の順番で確認します。

1. 紙パンツをきちんと広げる

まず紙パンツをしっかり広げます。

履く前に、両太もも部分に手を入れて、左右や前後に軽く広げておくと、履いたときのフィット感が変わる場合があります。

ギャザーが内側に折れ込んでいたり、しわになっていたりすると、パッドを正しい位置に置いても漏れやすくなります。

履く前に、太ももまわりのギャザーが立っているか確認しましょう。

2. パッドを紙パンツの中心に置く

尿とりパッドは、紙パンツの中心に置くのが基本です。

ここでいう「中心」とは、左右どちらかに大きく寄せないという意味です。パッドが左右にずれていると、吸収する前に横から漏れやすくなります。

また、男性であっても、極端に前へ寄せすぎるのはおすすめしません。尿が出やすい位置を確認し、パッドがきちんと当たりやすい場所に来ているかを見ながら、中心を保ったまま前後の当たり方を調整します。

前に寄りすぎる、後ろに寄りすぎる、左右どちらかにずれる。このような状態だと、吸収する前に漏れることがあります。

特に、立ったり座ったりする動作が多い方は、動いているうちにパッドがずれることがあります。履いたあとにも、違和感がないか確認してください。

3. ギャザーの内側に収める

とても大切なのが、パッドが紙パンツのギャザーの内側に収まっているかです。

ギャザーとは、太ももまわりにあるヒダのような部分です。このギャザーが漏れを防ぐ役割を持っています。

パッドがギャザーの上に乗っていたり、外にはみ出していたりすると、尿が横に流れて漏れやすくなります。

4. しわや折れ曲がりを直す

パッドがしわになっていたり、端が折れ曲がっていたりすると、吸収面がうまく働きません。

パッドも紙パンツと同じように、しっかり広げてから使いましょう。

履いたあとに、紙パンツの外側から軽く整えて、パッドが大きく曲がっていないか確認しましょう。

男性・女性で「前後の当たり方」を調整する

男性と女性では、尿が出る位置や漏れやすい場所が違うことがあります。

そのため、同じパッドでも、本人に合わせて当たり方を少し調整することが大切です。

ただし、これはパッドを左右に大きくずらすという意味ではありません。基本は紙パンツの中心に置いたまま、尿が当たりやすい位置に合わせて前後の当たり方を確認する、という考え方です。

男性の場合

男性の場合は、前側に尿が集中しやすいことがあります。

前に漏れやすい場合は、パッドの前側がしっかり当たっているか確認します。ただし、前に寄せすぎると後ろ側が足りなくなり、座ったときや寝ているときに漏れることがあります。

体の向き、座っている時間、寝ている姿勢も見ながら調整しましょう。

女性の場合

女性の場合は、中心から左右にずれたり、座った姿勢で後ろ側に流れたりすることがあります。

パッドが中心に当たっているか、しわになっていないかを確認しましょう。横漏れがある場合は、ギャザーからパッドがはみ出していないかも見てください。

パッドがずれるときの見直しポイント

パッドがずれる場合は、次のことを確認します。

状況 見直すポイント
歩くとずれる 紙パンツのサイズが大きすぎないか確認する
座るとずれる パッドが前後に寄りすぎていないか確認する
トイレで落ちる マジックテープ付きパッドを検討する
本人が触ってずらす 違和感や不快感がないか確認する
夜間にずれる 夜用パッドや交換タイミングを見直す

紙パンツのサイズが大きすぎると、中のパッドも動きやすくなります。反対に小さすぎても、本人が不快に感じて触ったり外したりすることがあります。

パッドがトイレで落ちやすい方や、落として詰まらせる心配がある場合は、マジックテープ付きの紙パンツ用パッドも選択肢になります。

交換タイミングの考え方

尿とりパッドは、吸収量に余裕があるように見えても、濡れたまま長時間過ごすと不快感や肌トラブルにつながります。

本人が不快に感じると、紙パンツを触る、パッドをずらす、外してしまうといった行動につながることもあります。

交換タイミングは、本人の尿量や生活リズムに合わせて考えましょう。

日中の交換

日中にトイレへ行ける方は、トイレのタイミングでパッドの状態を確認します。

濡れていれば交換し、濡れていなくても長時間同じものを使っている場合は交換を検討します。

夜間の交換

夜間は、長時間そのままになりやすい時間帯です。

夜用の紙パンツや夜用パッドを使っていても、尿量が多い方や睡眠時間が長い方では漏れることがあります。

8時間以上眠る方、朝までにパッドがかなり濡れている方は、本人の睡眠や家族の負担も見ながら、夜間に一度トイレ誘導やパッド交換を検討することで、結果的に朝の負担が減ることがあります。

家族がやりがちな失敗

在宅介護では、家族が良かれと思ってやったことが、かえって漏れや不快感につながることがあります。

パッドを何枚も重ねる

漏れが心配でパッドを重ねると、すき間ができて漏れやすくなることがあります。

吸収量が足りないと感じたら、重ねるよりも用途に合ったパッドに変えましょう。

大きめサイズを選ぶ

大きい方が安心に見えますが、紙パンツが大きすぎると太ももまわりにすき間ができ、漏れやすくなります。

サイズはウエストだけでなく、太ももまわりのフィット感も大切です。

濡れていても交換を先延ばしにする

「まだ吸収できそう」と思って交換を先延ばしにすると、本人の不快感や肌トラブルにつながります。

においや皮膚の赤みが出ている場合は、交換回数や用品の見直しが必要です。

本人の違和感を軽く見る

本人が「気持ち悪い」「ごわごわする」と感じている場合、紙パンツやパッドを触ったり、外してしまったりすることがあります。

特に認知症の症状がある方は、不快感を言葉でうまく伝えられないこともあります。表情や行動の変化も見てあげてください。

施設で長く働く中で気づいたのは、紙パンツを触ったり外してしまったりする行動を「困った行動」として捉えてしまうと、本人にとってもつらい状況が続いてしまうということです。多くの場合、それは本人なりの精一杯のサインです。「困らせないで」ではなく「何を伝えようとしているんだろう」という目で見てあげると、対応のヒントが見えてくることがあります。

うまくいかない日があっても、自分を責めないでください

在宅介護をしていると、当て方や交換のタイミングをどれだけ工夫しても、うまくいかない日があります。

施設の現場でも、スタッフが同じように試行錯誤しながらケアにあたっています。プロだから毎回完璧というわけではありません。今日うまくいかなかったからといって、それはあなたの介護のやり方が間違っているという意味ではありません。

小さな見直しを積み重ねていくことが、結果的に本人にとっても家族にとっても、いちばん負担の少ない形につながっていきます。

こんなときは専門職に相談

次のような場合は、家族だけで抱え込まず、専門職に相談しましょう。

  • 尿の色が急に濃くなった
  • 血尿がある
  • 尿のにおいが急に強くなった
  • 尿量が急に増えた、または減った
  • 皮膚の赤みやただれがある
  • 紙パンツやパッドを強く嫌がる
  • 何度見直しても漏れが続く

相談先としては、医師、看護師、ケアマネジャー、福祉用具専門相談員などがあります。

紙パンツや尿とりパッドの問題に見えても、体調変化や生活リズムの変化が関係していることがあります。

あわせて読みたい

紙パンツが漏れる原因を先に確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。

介護の紙パンツが漏れる原因5つ|家族が見直すべき尿とりパッドと夜間対策

まとめ

紙パンツと尿とりパッドは、ただ組み合わせれば漏れが防げるわけではありません。

大切なのは、

  • パッドは基本1枚で考える
  • ギャザーの内側に収める
  • 中心からずれていないか確認する
  • 男性・女性、姿勢、尿量に合わせて前後の当たり方を調整する
  • 濡れたら早めに交換する
  • 合わない場合は重ねるのではなく用品を見直す

ということです。

在宅介護では、本人の状態も家族の負担も少しずつ変わります。紙パンツや尿とりパッドも、一度決めたら終わりではなく、状態に合わせて見直していきましょう。

毎日の排泄ケアが少しでも楽になるように、まずは「正しく当てる」「ずれを確認する」「交換タイミングを見る」ところから始めてみてください。

この記事を書いている人

特別養護老人ホームで介護の現場を経験し、その後、有料老人ホーム、同一法人内のサービス付き高齢者向け住宅の施設長を経て、会社を設立しました。現在は設立した会社でデイサービス事業を展開し、高齢者・障がい児向けの福祉サービス事業所を運営しています。現場と経営、両方の立場から見てきた「本当に困っていること」「本当に役立つこと」を、在宅で介護をされているご家族に向けてお伝えしています。

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